我他彼此

こちらの続き



目が覚めたナルトは記憶が無くなる程には飲んでいなかったはずだが全く覚えていない、と言った素振りを見せていた。
それからは心配だけどもナルトをアパートまで送り届けて自宅に戻った。
静かに扉を閉めてもたれかかり、ずるずると座り込む。
はぁ…、と長い息を吐き出して誰に見られる訳でもないけれど顔を手で覆った。

正直言って、危なかった。
酔った勢いに任せて無理やりにでもカカシ先輩とナルトの関係を断ち切ってしまおうか、とそんなことを一瞬でも考えてしまった僕は仲間失格だ。
上忍としても暗部としても冷静な判断はもう下せない。

「全く…戻れることなら、戻りたいよ。」

あの頃に戻りたい、そんな出来もしないことを口走りながら自嘲する。
ナルトが命令違反をして、それに頭を抱える僕とサクラ、対して楽しそうにそれを眺めるサイと ― カカシ先輩がいた。
あの頃は本当に心地いい位置だった。
昔の方がよかったなんて、らしくない。
考えるのを止めてそのまま何もせず、寝床に倒れこんだ。
そういえば明後日はナルトと他数名の合同任務があった。
その中には先輩も組み込まれていたはずだ。
よりによってこんな時に…。
明後日の任務のことを考えているうちに僕は意識が薄れていくのを感じながら、甘んじてそれを受け入れた。





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